集めたコレクションは単なるモノではない

時折インターネットのニュースサイトで「旦那のコレクションを黙って処分したら離婚された」といったニュースが話題になります。奥さんから見れば、部屋を狭くし、家計を圧迫する旦那の趣味なんて邪魔なだけ。お金は趣味よりも子どものためや、家族みんなで楽しめるものに使って欲しい。そんな考えから、旦那が仕事に出ている間に業者を呼んで、コレクションを処分してしまうのです。

この手のニュースは、大抵は激怒した旦那と破局を迎えるか、生きがいを失った旦那が無気力状態になるか、といった結末になっているようです。他人の趣味は、興味がない人から見れば無駄にしか見えませんが、その人にとっては自分の人生とイコールの価値を持つものです。そんな大切な趣味を、家族である奥さんが全く理解しようともせずに、処分してしまう。「こんな妻とはもう家族でいられない」と思うのも、「この先は家族のために自分を殺して生きよう」と思うのも、無理はないように思います。

<趣味とは基本的に"消費"するもの>

趣味が高じてその道のプロと呼ばれるようになり、収入を得ることができるようになる人もまれにいます。そうした場合、その趣味を無駄なことだという人はいないでしょう。とはいえそうした人はレアケースであり、ほとんどの人の趣味は"自己満足"以外の何者でもありません。基本的に、趣味とは消費する一方であり、収入に結びつくことはないのです。

そんな趣味を理解できない奥さんの気持ちもわかる……というのは簡単ですが、誰にだって趣味はあるものです。お金を費やさないと続けられない趣味もあれば、低額あるいは無料で楽しめる趣味もありますが、極論すればどちらも同じ"趣味"です。旦那の趣味を理解しようとしない奥さんにだって趣味はあり、その趣味を一方的に見下されたり無駄扱いされたりすれば、きっと怒るでしょう。

<趣味のために使うお金は働くモチベーションにもなっている>

ミュージシャンでもないのにギターを買い続ける男も、毎日メロドラマを見るのが楽しみな女も、"趣味を楽しんでいる"という点では同じです。異なる点と言えばお金がかかるかどうかになるでしょうが、生活が破綻するほどでもないならば他人が口出しするものでもありません。

むしろ、お金がかかる趣味を楽しむために、という理由は仕事を続けるモチベーションとなり得ます。ここを無視して趣味を取り上げてしまうと、働く目的、生きがいを見失い、パフォーマンスは低下し収入も激減。かえって趣味を取り上げる前よりも、使える金額が減ってしまった、なんてことにもなりかねません。

<体験や思い出はお金で買い直すことはできない>

冒頭で紹介したニュースの例では、とある男性は趣味の模型を奥さんに処分されて以降モノへの執着を失い、最低限の着替え数枚以外の私物すべてを次々に処分してしまったと言います。こうなると一種の鬱や精神疾患を疑うべきで、奥さんの行動が旦那の人格を破壊してしまったと言えます。奥さんはことの重大さに気づき、のちに泣きながら謝罪したそうですが、結局旦那の"断捨離病"も"無気力症状"も改善はしなかったそうです。

集めたコレクションは、購入費用以外にも"それを探すための苦労""入手した時の思い出"などもセットでコレクションとしての価値を持ちます。これを勝手に処分してしまうということは、これまでの人生の一部を無駄だと断じてしまうのと同じことです。

コレクションが単なるモノにしか見えない人は、もう少し想像力を働かせてみましょう。モノに付随する経験や思い出は、あとからいくらお金を出しても、取り戻すことはできないのです。

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